2013国際アマチュアピアノコンクール 第1次予選(1)

op1pianist2013-07-08

今年も、夏恒例のアマチュアピアノの季節(!?)がやって来ました。

今年は、アタクシも、国際アマチュアピアノコンクールの1週間前に行われてた、

【第4回 Blue-t ピアノコンペティション 本選会】

http://youtu.be/LIRPr8xWKJ0

…に参加をしてました。(26人中の8位という結果でした)

マチュアピアノコンクール1位獲得者や海外コンクールの入賞者が強豪が出揃う中でしたので…(汗)

今回、Blue-t ピアノコンペティションの出場メンバーが、かなり、国際アマチュアピアノコンクールや、PTNAピアノコンペティション グランミューズ部門(A1,B1,B2カテゴリー)などへの、本番対策用に参加者が多数出てました…

Blue-t ピアノコンペティションのレベルも高かった事…(汗)



今回のアマコン予選は、全体を通して思ったのは、フレーズをきちんと理解し、音楽として演奏に反映されてない点、

もう一つは、出だしの開始音での【溜め】不足なために、音楽を深く(音色やリズムも含めて)演奏出来ていないエントリー者が多数、見受けられた事…

一番の問題は、頭と耳での音楽総合能力(ソルフェージュなど)が不足しがちなために、鍵盤だけのポジションだけで弾くエントリー者がかなり居るという点…

今回は曲目数がかなり増えて来てて、面白さもありますが、いざ、蓋を開けたら…な事も多かったのも残念な気がしました…

国際アマチュアピアノコンクールは、演奏の出来そのものよりも、楽曲に対する音楽総合能力の評価を重んじる傾向があるので、

(※PTNAグランミューズ部門とは、この部分が審査の基準が違うところ)

アタクシの思う評価と全く異なる事が多いのですが…(苦笑)

毎夏、アタクシの激辛コンクールの感想を書き残しますが…(苦笑)

アタクシの書いてる事が100%正しいとは思わないようにお願いします…(笑)

ただ、今年の批評日記は、アタクシのYoutubeの演奏を【基準】として、アタクシのYoutubeをお聴きいただいてから、辛口批評日記をお読み戴きたく存じ上げます…

基準となるYoutubeのURLはこちら↓

http://youtu.be/IQk_Xi561tk
http://youtu.be/TS4bznHWjN0
http://youtu.be/Yn4fdGnBe6U
http://youtu.be/Dpm6-mc1drU
http://youtu.be/ZdUH1oT5nGc
http://youtu.be/8LLy6kBvWrY
http://youtu.be/6-7WpEy1lCc
http://youtu.be/mCi0Cy-6ULA
http://youtu.be/bO-jctGGLP0

これら、全てをお聴き戴き、これらのYoutubeの評価基準(☆印が☆☆☆とした場合)で、評価印を点けました…

では、2013.7/6土曜から…

各日程、

▼シニア部門(55歳以上、自由曲)

▼B部門(自由曲、譜面付き可)

▼A部門(自由曲、暗譜必須)

の順。

※譜)印は、譜面付きで演奏



▽シニア1…☆☆☆
ショパン:ワルツ第14番ホ短調(遺作)+練習曲op.10-12「革命」

ワルツ=フレーズのcrese.〜decrese.感が感じられず、優等生のようにかっちりな感じ。左手のワルツの3拍子感が、メトロノームみたく聞こえてました。
中間部に譜読み違いも。(語尾のお終いにアクセントを付けるのは問題が…)
革命=フレーズをブロックのように区切る感があり、また左手のパッセージの運びが重い感じも。リズムがぎこちない箇所も。

▽シニア2…☆☆☆
ベートーヴェン:ソナタ第14番op.27-2「月光」第1楽章

音質的に弱音でタッチがキレイだったが、フレーズが平坦なので、最初から最後で、盛り上がりを見せず…な感。バスの声部もキレイですが、訴えが足りない!
最後の2小節のダンパーペダルが濁るので、僅かな切替を。

▽シニア3…譜)…☆☆

ショパン:練習曲op.10-5「黒鍵」

最初の左手の和音が不本意な鳴り方に対し、右手はパッセージを捕らえてはいるものの一本調子。
家庭での中での練習をそのままステージで弾いてるように見受けました…

▽シニア4=棄権
ラフマニノフ:前奏曲op.3-2

▽シニア5…譜)…☆☆☆
ブラームス:ラプソディop.79-2

無理のない鳴らし方だったが、ここぞ!という箇所で、少し崩れてしまう。
多少、平坦な感じだが、よくまとめて、たと思う。

▽シニア6…☆☆☆☆
シューベルト:即興曲op.90-4

タッチがきれい。だが、crese.〜decrese.の表現が中途半端な感。和声の線がやや細い。

▽シニア7…☆
ドビュッシー:映像I「1.水の反映」

最初の開始ペダルが、底の底まで踏んでしまっているため、美しい和声が半減…。
正確なリズムと拍が刻めていない。雰囲気だけ追っている。



▽B部門1…譜)…☆☆
スクリャービン:ソナタ第2番op.19 第1楽章

細かな部分で楽譜以外の音を弾いてしまう。リズムの取り方に【溜】が無いので、歌が素っ気なく聞こえる。

▽B部門2…☆☆☆
クルダ:アリア

自分らしさ、音色らしさ…はあるが、訴え度が足りない印象。crese.〜decrese.など、楽譜には無くても、クラシックな解釈ならばある程度はないと…だろう。
左手の伴奏型がやや鳴らし過ぎる。右手はキレイだったが…

▽B部門3…☆
J.S.バッハ:フランス組曲第5番 アルマンド,ガヴォット,ジー

アルマンド=やや自信が無さそうな感。何とかうまく(引き直しなど)進んだが、暗譜不足?
ガヴォット=アルマンド同様、解決音が締まらない。
ジーグ=テンポが遅い。並べただけの音楽にしか聞こえず。

▽B部門4…☆☆
J.S.バッハ:平均律I 第3番

やや平坦で、指の転びもあるが、勢いは感じられる。
表現をしようという意気込みはプレリュードに感じました。フーガは落ち着かない部分が。
テーマの入りと語尾が不安な部分がありました。

▽B部門5…☆☆☆
リャードフ:グリンカの主題による変奏曲 (主題,第1,2,3,4変奏)

テーマの強弱の表現も中々なのだが、変奏に入った時に、右手だけに気を取られている。左手の動きにもちょっとした主要な動きと音があるのだが、まだ自分の弾き手との表現に馴染んでいない気がする。

▽B部門6…☆☆
ベートーヴェン:ソナタ第17番op.31-2「テンペスト」第3楽章

右手のパッセージに意識を持たせ過ぎな感がある。バスのテーマをしっかり出さないと。
全体的にcrese.〜decrese.の表現が聞こえない。全体的に平坦な感が強い。(引き直しもあり)

▽B部門7…☆☆
リスト:2つの演奏会用練習曲「1.森のささやき」

流れはあるが、ややペダルが濁る。左手のパッセージなどが、やや誤魔化しが気になる。
暗譜で、ある箇所が危うくなるとバランスが崩れる(曖昧な表現が多い)。
メロディーに【溜】が感じられない。

▽B部門8…☆☆☆☆
ショパン:練習曲op.25-1,11

25-1=右手のメロディーラインが凸凹な部分がやや気になる。もう少しcrese.〜decrese.などの表現があれば…、だろう。
木枯らし=最初の入り方がいい!
ややペダルが深く踏み過ぎる点を改善するといいかも。

▽B部門9…☆☆
サン=サーンス:アレグロ・アパッショナートop.70

流れはある。かなり正確に捕らえているように思う。
所々、右手が危うくなる箇所があるとバランスが崩れる。
指運びに淡白な部分があり、打鍵に腰が無いので、メリハリ感が感じられず。
(速いパッセージでもcrese.〜decrese.のフレーズ感は表現しないと!)

▽B部門10…☆☆
メトネル:おとぎ話のソナタop.25-1 第1楽章

モチーフに緊張感を保たせて欲しい。そそくさと弾いてしまうのがもったいない。
展開のドラマティックさをもっと身体で感じに、音に【溜】を効かさないとが、残念な点

▽B部門11…☆☆
ベートーヴェン:ソナタ第30番op.109 第3楽章

あっさりし過ぎる。溜が無い。晩期のソナタを淡白に弾くのは問題が有りすぎる。
正確に弾く点ではいいのだが、とにかく軽い音が気になる(芯が無い)。
(引き直しもあり)

▽B部門12…☆☆☆
ランゲ:花の歌op.39

最初の左の三連符がやや危うさが…。若干、その16分音三連符のリズムが違う感がする。
右手はキレイ。
中間部が急ぎ過ぎ。
カデンツァな部分はもっと、たっぷりと時間をかけて演奏して欲しかった。

▽B部門13…☆☆☆☆
ショパン:バラード第4番op.52

やや先急ぐような部分もあるが、かなり高度な歌い方が印象的。
【溜める】歌の部分が不足になる箇所があり惜しい。
書かれてる和声を全部鳴らすが故、やや響きが濁る箇所もある。

▽B部門14…☆☆
シューベルト:即興曲op.90-2

最初の四分音符が長いので、別の音楽に聞こえる(書いてある拍を数えて守って欲しい)。
ややペダルが深く踏みすぎるし、濁る。
少し自由勝手な演奏でもあり、好みの問題もあるかも。
自由奔放なシューベルトは久々…。音の読み違いも有り。

▽B部門15…☆☆☆☆ベートーヴェン:ソナタ第24番op.78「テレーゼ」

よく練習してると思う。やや、さらさらと先へ流れてしまう部分もあるが、流れに乗って、運ぶ華奢さは見事なもの。

▽B部門16…☆☆☆
ラヴェル:鏡 「4.道化師の朝の歌」

6/8拍子のフラメンコのリズムの印象が浅いのが残念。
特にリズム感を強く出さないと(アピールをしないと)。
連打の部分が遅くなったのがちょっとアンバランス。
(遅くするならほんの少しなら…連打の我慢が重要)

▽B部門17…☆☆☆☆
ラフマニノフ:前奏曲op.23-7+楽興の時op.16-4

23-7=流れがあり、スピード感やスリル感もある。ややcrese.〜decrese.の区別辺りや浅い箇所もある。
コーダ付近の展開が惜しい箇所も。
16-4=よくピアノを鳴らしている。
細かい和声展開のペダル処理に甘さがある。
少しこじんまりな感もあった。

▽B部門18…☆☆☆☆☆
ヤナーチェク:ソナタ「1905年10月1日、街道にて」 第1楽章「予感」

緊張感の保たせ方、ドラマティック!作品を大きく捕らえている点が好感!

▽B部門19…☆☆☆☆
ラフマニノフ:前奏曲op.32-10

ドラマ性がある。表情にロシア的な感情もあると思う。
強音になった時に、色彩感がやや乏しくなる部分がある。
複雑な声部の引き分けが少し足りない印象。
歌心はかなりある。

▽B部門20…☆☆☆
モーツァルト:ソナタ第12番KV.332 第3楽章

やや響きに重さが残る。溌剌感が出れば、と思うが、やや暗く感じる。(長調の調性なのに)
やや一本調子な点(ツェルニー風な?)や、ニュアンス不足、crese.〜decrese.が足りない印象。

▽B部門21…☆☆
シューベルト:即興曲op.90-2

音がキレイだが、パッセージがどうか?と感じた。crese.〜decrese.が不足のため、全体が一本調子な感。
(ちょっとツェルニー風な感もあった)

▽B部門22…譜)…☆☆
ショパン:3つの新しい練習曲

f mollは「pp」だったか、そんなに鳴らすように書いていないと思います(やや一本調子)。
As durは和音の鳴らし方が雑。まだ強く弾いているのと、内声部が騒がし過ぎる。
Des durはスタッカートが雑。ニュアンス不足!

▽B部門23…☆☆☆
ショパン:スケルツォ第2番op.31

緊迫感もあり、歌心もある。微妙な変化の表現がやや雑。
フレーズの展開に【溜】が無いのが残念。
ダイナミックレンジが狭く感じる。



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